私がコーチングという分野に携わるようになってから早10年近く。業界の流れもだいぶ変わった。
様々な団体が現れては消え、そして数々の自称コーチが現れては消え、というこれまでの栄枯盛衰をつぶさに見てきた。
「コーチング」というキーワード自体、一時期のようなトレンドではなく、実際はどうあれ、常識の一つとして捉えられているかのようだ。
思えばこれまで何回かブームがあり、同じようにコーチを志した医療関係者がいたが、そのほとんどは資格を取るだけに終始し、特段本格活動にまでには至らないようだった。習い事の一環、という感じだ。
その多くの場合、勤め先があり、副業禁止云々の問題と、有償無償問わず、クライアントを集め実際にセッションし続けることのしんどさが障壁になっているのかもしれない。
ただ、本当にもったいないと思うんだよね。
特に昨今、(特に)療法士業界の行く末を案じるような話題がうずまく中、複業、パラレルキャリアの一環としてのコーチ業というのは、選択肢の一つとして、ますますアリだと思うのだ。
というのも、先行き不透明なこの世の中、自分のキャリアデザインのために、身近な先輩や上司ではなく、利害関係のない職場外のしかるべき指南者(つまりコーチ)に継続的なサポートを求めるのは至極当然の流れだからだ。
ホンモノというのは本当に少ない。
手前味噌にはなるが、あるコーチ養成団体や、セミナー主催者から、「鯨岡さんのような活動をしたい」といって来た方がいますよ、と何度となく言われたが、今何人生き残っているのか、というと・・・
今でも忘れられないエピソードがある。
私が学んでいた団体の集合研修会が東京本部であった。
様々なワークの中で、コーチング演習のテーマを挙げよう、ということになったのだが、
「部屋の片づけができないんですが、どうしたらいいですか?」「ブログがどうしても続かないんですが、どうしたらいいでしょう」
なんてテーマを挙げたコーチが何人もいたのだ。
私は思わず、「こいつら、バカか」と。自分のそれしきの行動も出来ずに、やれクライアントとのセッションがどう、とかのたまう。で、「行動にブロックがあって」とか言っちゃうわけ。所詮コーチとか言ったって、その程度なんだよね。
プロコーチといっても、学ぶ団体は数あるが、どこが良い悪いということはないと思うのね。
ただ、本格的にやるならどうしても避けて通れないことがあって、それは、実際にクライアントさんを抱えて(しかも料金を頂いて)継続的なセッションをすることなんだよね。
これによって、クライアントさんを集めることの何たるか。そして、継続サポートによって、人の行動が変わること(変わらないことも含め)の何たるかを目の当たりにすることなんだよ。
そして、何よりもコーチ自身がいかにブレイクしていくか、なんだ(←これ、超重要)。
多くの場合、これがなかなか出来ずに、みんな身の回りの友達に単発のセッションらしきことをやって、「イエーイ」「スッキリしましたー」なんてやってて、まるでコーチングごっこなんだよね。
これまで私がコーチとして生き永らえ、曲がりなりにもトップで走り抜けてきたのには、理由とやり方(戦略)があるんだ。
コーチングスキルと同時に、見せ方とマーケティング、だね。
ここを確立させておくことは、今後の準備にもなる。
なぜなら、これからの世の中は、コーチやコンサルタント、アドバイザーのような教育者がますます求められてくるから。
これからを考えたときに、業界に眠る潜在コーチを掘り起こして、再生できないか、と考えたんだ。何とか、せっかくコーチングという学問が好きで取得したその資格とスキル、それを生かせないか。
こんな活動を年明け一発目のイベントにしようと思っているので、ぜひ楽しみにしていてほしい。共に歩んでいこう。
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