少し前に、某有名病院で、今期のボーナスを支給しないとしたことで、何百人もの看護師が一斉退職する、というニュースがありました。
そして、それも止む無し、ということでその辞めた分の求人がかけられたことで、それがまた火に油を注ぐ形になりました。
その後、前言撤回し、「1ヶ月分の」ボーナスを支給することなったらしいですが、もはや時すでに遅し、という感じではないでしょうか。
「やったー!やっぱりこの職場は私たちのことを考えてるな!」ってなりませんもんね笑
忠誠心というか、職場への気持ちはさらに離れてしまったはずです。
今回タイミングを逃してしまった方や、自分のいるチーム事情をかんがみて踏みとどまった方も、冬のボーナス前後で辞めることを視野に入れているかもしれません。

元々ここはネームバリューがあり、最先端の医療が学べる、と人気はあるものの、比較的短期で辞める者も多く、年間300人前後(!)は入れ替わるらしい。
なのでもしかすると、人を育て定着させるなんて風土ではなかったのかもしれません。
そんなんで良いのか・・・
いや、それでも何とかなってきたし、それである意味都合が良かったところもあるのかもしれません。
特に地方では、医師や看護師の人手不足はますます深刻化しています。
厚労省からは、このような「人材確保に効く事例集」という資料がダウンロードできますが、ここでも触れられていますが、「採用管理」はもちろんなのですが、「定着管理」をどのようにするかが喫緊の課題です。
で、とかく「定着管理」を考える時に、配置がどう、とか、評価制度がどう、とか、教育システムがどう、と考えがちになります。
いや、もちろん大事なんですよ。
しかし、です。これらを整備すればスタッフが動機づけられるか?と言えば、そうでもない、という事実…

だからこそ、今こそスタッフの「内発的動機づけ」、つまり「感情」に着目しなくてはいけないのです!
ところが、ここを大事と考え、仕組み化・取り組み化するところは、本当に少数です。そこが大事、ということに気づいていない、というのが実際かもしれません。
しかもこれは、「ウチでは人を第一に運営していく!」というトップのコミットと号令が欠かせません。
今、貴病院で、採用にかかるコスト、宣伝広報にかかるコストはどのぐらいかかっているのでしょう?
加えて、一人前になるまでに育てる、教育にかかる(金銭的,時間的,労力的)コストはどれ程のものでしょうか?
しかもそれが実を結ばず、みすみす垂れ流してるだけだとしたら・・・
これからは、(ある意味コスト0である)「感情」に着目した経営に取り組んだところが、人を安定定着させ、ということは医療の質を安定させ、満足度を高め、ひいては地域で抜きん出る存在になることは間違いありません。